「月経が止まるのは、それだけ頑張れている証」。スポーツの現場には、長いあいだそういう空気がありました。
いまのスポーツ医学の答えは、真逆です。月経が止まる・遅れる・始まらないのは、体が出している「休ませて」のサインなんです。
正直、私もコーチとして学ぶまで、ちゃんと知りませんでした。女子のチームを預かる者として、一度きちんとお伝えしておきたく、この記事を書いています。
体の中で何が起きているのか
体を動かす量に対して、食べる量が足りない状態が続くと、体は「生きるのに欠かせない機能を優先して、それ以外は節約する」というモードに入ります。
その影響がはっきり表れやすいものの一つが、月経です。気持ちの問題でも、根性の問題でもなく、体の仕組みの話です。
国際オリンピック委員会(IOC)はこれを「相対的エネルギー不足(REDs)」と呼び、2023年の最新の合意声明で、競技スポーツ全体の課題として警告しています。
「病院に行く合図」の目安
アメリカの女性アスリート医療の専門家グループが、目安を示しています。
- 来ていた月経が、3か月以上止まっている
- 15〜16歳になっても、初経が来ていない
どちらかに当てはまったら「様子見」ではなく、一度受診するサインです。成長期の骨の強さにも関わることが、わかってきました。
チームで決めていること
- コーチから月経のことを聞き出すことはしません。 体のことは本人とご家庭のもので、私たちが踏み込む領域ではないと考えています
- そのかわり 「食べることも練習のうち」 を、チームの当たり前にします
- 「痛い」「だるい」を言い出せる空気を守ります。 休むことを、頑張りの反対にしません
コーチにできるのは判断することではなく、サインに気づける環境と、ご家庭との連携を整えることまでだと思っています。
お願い
この記事が、ご家庭で体のことを話すきっかけになればうれしいです。気になることがあれば、かかりつけ医や産婦人科・小児科にご相談ください。
チームに何かを報告していただく必要はありません。「休みます」「今日は軽めにします」だけで十分です。